ピコピコでポップなテクノポップ(80's - Techno Pop/Synth Pop/Electro Pop)

洋楽の定番・名曲・名盤ガイド│ 2007年09月21日
ピコピコでポップなテクノポップ

60年代、世界初の実用電子楽器(シンセサイザー)、電子楽器の演奏情報の記録・再生が可能な“シーケンサー”の登場によって、様々な音楽家達が楽曲での使い方を模索し“テクノ”という新しい音楽の流れを作り出していきます。
そして“テクノ”はディスコやロックなどと融合し、より大衆的な“テクノポップ”として数多くのヒット曲が生まれました。

“テクノポップ”という名詞は日本独自のもので、海外では、“シンセポップ”とか“エレクトロポップ”というカテゴリーに分類されるそうです。
この記事では元祖系のクラシック・テクノ〜ニューウェーブ周辺のテクノポップを取り上げています。

シンセサイザー発明当初は現代音楽や映画音楽、プログレ系などで効果音や装飾的な使い方が多かったようでが、 1972年に“モーグ・シンセサイザー”の権威 ガーション・キングスレイ の楽曲『 ポップコーン(Popcorn) 』が世界中で大ヒットしたことによって、テクノ・サウンドが一般的に認知されるようになります。
そして、60年代後半から活動を始めた前衛的電子音バンド クラフトワーク が1974年に『 アウトバーン(Autobahn) 』を発表、この曲がアメリカでヒットし広まることで、デトロイト・テクノ、シカゴ・ハウスなど独自のテクノ・シーンが生まれていきます。 また、それらのクラブシーンとは別の流れとして、70年代に盛り上がっていた、ディスコやパンク・ブームと融合した、より大衆的なニューウェーブ、テクノ・ポップへの流れが生まれていきます。

日本では、 富田勲 が1974年に発表した電子音楽作品『 月の光 』が日本のレコード会社に受け入れられず、アメリカから発売したところ、日本人初のグラミー賞にノミネートされるほどの評価を受けたり、 細野晴臣高橋幸宏坂本龍一 らが1978年に結成した イエロー・マジック・オーケストラ(YMO) は、レコード会社から音楽性を正確に理解してもらえず、 フュージョン・フェスティバルから活動をスタートしたという、まだ完全にジャンルとして確立していなかった当時の状況を感じさせます。
YMO のデビュー盤はアメリカでも発売され、その高い評価を受けて、逆輸入の形で日本で爆発的な人気を博し、社会現象にまでなりました。その後、彼らは世界中のテクノ・クリエーター達に影響を与える存在になります。

同時期に ゴダイゴ(Godiego) もドラマ 西遊記 のオープニング曲『 モンキー・マジック 』の前奏曲『 ザ・バース・オブ・ジ・オデッセイ 』でシンセのアルペジェーターをイントロで使用していたり、いち早くギター・シンセサイザーを取り入れたりしていたのも、プログレッシブ・ロックの流れからのシンセ・アプローチが垣間見れて興味深いです。

そんな時代背景を浮かべながら聴いてみるのも楽しいですよ♪

■オススメ動画

1.youtube Popcorn(ポップコーン) /1972年/Hot Butter(ホット・バター) Amazonで見る
 …現在までのテクノポップの礎となった楽曲といえば、やはりこの曲『 ポップコーン(Popcorn) 』です。
この曲の作曲者は“モーグ・シンセサイザー”の権威 ガーション・キングスレイ(Gershon Kingsley) で、本人による録音も残されていますが、世界で一番のヒットしたのは、アメリカのスタジオ・ミュージシャンが集まった ホット・バター(Hot Butter) による演奏のもの。 彼らの作品で『 Apache 』という曲もカッコ良くていいですよ!
1.youtube 電卓(Pocket Calculator) /1972年/Kraftwerk(クラフトワーク) Amazonで見る
 …テクノというジャンルが確立するのに最も貢献し、その後に影響を与えたグループです。
独特なステージパフォーマンスも面白いですね。テクノポップの元祖的ニューウェーブバンド ディーヴォ の独自なパフォーマンスもこの影響なんでしょうか。
入門篇には91年に新しいアレンジで現代風によみがえった代表曲が聴ける「 The Mix 」が聴きやすいと思います。
⇒詳細記事を読む・曲を視聴する
3.youtube デイ・トリッパー /1980年/YMO(イエロー・マジック・オーケストラ) Amazonで見る
 …日本にテクノ大旋風を起こし、その後の歌謡テクノ・ポップ・ブームでも多くの曲を生み出したグループです。
Rydeen(ライディーン) 』 等の大ヒット曲のイメージからテクノの代名詞のように言われますが、音楽的に見ると、意外とニューウェーブ的な要素が強い曲も多いです。
掲載曲は ビートルズ のカバーで、ニューウェーブ風アレンジが超カッコイイ!
⇒詳細記事を読む・曲を視聴する
4.youtube Pop Muzik(ポップ・ミュージック) /1979年/M(エム) Amazonで見る
 …近年「ディライト」と言ってるJTのCMで良く流れていたので耳にした人も多いでしょう。
私はリアルタイムでは無いのですが、10年以上も前にラジオで流れているこの曲を聴いてビビッときた一人です。 なかなかこんなにポップでキャッチーな洋楽テクノポップの曲は無いですよ。 Mロビン・スコット というイギリス男性アーティストを中心としたユニットで、一発屋と思いきや、意外と地道に活動しているようです。 ディスコ〜ニューウェーブな感じで超ポップです!
5.youtube Da Da Da(ダ・ダ・ダ) /1982年/Trio(トリオ) Amazonで見る
 …もう曲頭の「アハアハアハ〜」という掛け声(?)と、ピコピコな電子音でテクノポップファン心をグッと掴んだ上に超ポップで最高!
こちらは、ドイツ出身のテクノバンドなんですが、ユルユルな感じがナイスです。 イタリアでCMで使用されて、かなりのヒットとなったようで、YouTubeに色んなパロディー動画がアップされています。 このユルユル感とポップな感じがパーティーソングとして良いのかも。
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6.youtube Funkytown(ファンキータウン) /1980年/Lipps Inc(リップス・インク) Amazonで見る
 …こちらはディスコ系テクノですが、この曲のピコピコ度、ボコーダーボイスがテクノポップ魂を揺さぶります。
ホンダThat'sのCMでも使われていたので、耳にした人も多いと思います。
ファンキーでカッコ良いですね!オーソドックスなソウル、ディスコの曲も多いので、そちらが好きな人にもおすすめです。
7.youtube Uncontrollable Urge /1978年/Devo(ディーヴォ) Amazonで見る
 … ディーヴォ(Devo) はテクノ・ポップ、ニューウェーブの元祖と言われるアメリカのバンドです。
ガレージ・ロック、パンク等の流れが強いですが、生演奏で機械的に演奏するスタイルが独特で、シンセサイザーを多用するようになった後も非常に個性的な音楽性・パフォーマンスが面白いです。 日本にも熱狂的なフォロワーが多いバンドです。
⇒詳細記事を読む・曲を視聴する
8.youtube ラジオスターの悲劇 /1980年/バグルス(The Buggles) Amazonで見る
 …いまや名プロデューサーとして有名な トレヴァー・ホーン(Trevor Horn) のエレクトリック・ポップ・ユニットです。
大ヒット曲『 ラジオスターの悲劇(Video Killed the Radio Star) 』はテレビ、CM等では定番の超ポップなテクノ・ポップの名曲です!
⇒詳細記事を読む・曲を視聴する
9.youtube Gun-Do /1980年/姫神せんせいしょん Amazonで見る
 …テクノ史的にそんな重要じゃないんですが、、個人的に好きな曲なので掲載。
日本の風景や自然をテーマにしたニューエイジ、ヒーリング・ミュージック系ミュージシャン 姫神(ひめかみ) の元となるテクノ・バンド 姫神せんせいしょん の作品で、テレビ東京系列パソコン情報番組「パソコンサンデー」のオープニング曲として使用されていた曲です。 現在の 姫神 のサウンドとは全く違っていますが、初期の彼らは YMO の1stにも通じるフュージョン・テクノ・サウンドでした。
10.youtube THE BIRTH OF THE ODYSSEY〜Monky Magic /1978年/ゴダイゴ Amazonで見る
 … こちらもテクノ史と直接関係ありませんが、プログレ色の強かった初期 ゴダイゴ のシンセのアルペジェーター機能のようなシーケンスフレーズが素晴らしいです。
日本でいち早くギター・シンセサイザーを導入したことからも、積極的に新しいサウンドを取り入れていた制作姿勢が垣間見れます。
⇒詳細記事を読む・曲を視聴する

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コメント

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  1. 探してた曲が見つかりました!こんな前の記事にお礼するのもなんですが、ありがとうございましたゅん((+o@))ゆん
    Posted by モゲ・レム・ポーン at 2012年11月27日 01:09
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