それでは、白い鍵盤をラ(A)から「ラシドレミファソラ♪」と演奏すると、どうでしょう。 暗い雰囲気に感じませんか?

(鍵盤をクリックすると音が鳴ります)
今回はこの「ラシドレミファソラ」の音階(スケール)について説明していきます。
◇この記事の内容
・マイナースケール
・ハーモニックマイナースケール
・メロディックマイナースケール
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◇マイナースケール
(ナチュラルマイナースケール/Natural Minor Scale)メジャースケールの時と同じように、「ラシドレミファソラ」の音階の音の関係を見てみましょう。

音の並び方が
「 全音、半音、全音、全音、半音、全音、全音 」
と、なっています。
この並び方の音階を
ナチュラルマイナースケール(Natural Minor Scale):自然的短音階
といいます。
この例では、A(ラ)から始まるマイナースケールなので、Aマイナースケール(正確にはAナチュラルマイナースケール)と呼びます。
ルート音を変えることで色々なマイナースケールができます。

← スクロールしてスケールの構成音を確認できます。 →
ナチュラルマイナースケールをもう一度弾いてみましょう。
ラシドレミファソラ…何か、不完全な感じがしませんか?
次に、これを補うために生まれたスケールを紹介します。
◇ハーモニックマイナースケール
「…ソ→ラ」と、最後まできたとき、メジャースケールの「…シ→ド」と弾いたときのように完結した感じがしませんよね。
そこで、ナチュラルマイナースケールの第7音(G:ソ)を半音高くしてみましょう。
ルート音を変えることで色々なハーモニックマイナースケールができます。

← スクロールしてスケールの構成音を確認できます。 →
どうですか?「ラ」で完結する感じになったと思います。
この第7音を変化させてできる音階を
ハーモニックマイナースケール(Harmonic Minor Scale):和声的短音階
といいます。
この『ソ♯→ラ』という、半音下から半音上の動きは、メジャースケール時の『シ→ド』と同じように主音に完結させる(したと感じさせる)働きを持ちます。
スケールの主音に完結させる働きを持つ、主音の半音下の音を「導音」といいます。
◇メロディックマイナースケール
ハーモニックマイナースケールでは、第6音(ファ)と変化させた第7音(ソ♯)の間が一音半と、遠い関係になってしまい、メロディーがスムーズに聴こえません。そこで、第6音も半音高くし、メロディーに適した形にしたのが、
メロディックマイナースケール(Melodic Minor Scale):旋律的短音階
です。
この音階は、上行する(高い音へと移る)時のみ使われ、音が下がる時はナチュラルマイナースケールになります。(下行時は導音の必要がないため。)

ルート音を変えることで色々なメロディックマイナースケールができます。


メロディックマイナースケールはメロディーに適した形とされていますが、実際は、曲の中で使われるマイナースケールが必ずしもメロディックマイナースケールというわけではありません。
通常、曲の中では曲調・曲想によって使い分けられています。
とりあえずは、難しく考えずに、上向するメロディーで、より強く「ラ」に進行させたいときは「ソ#→ラ」、そんなにマイナー感を強く出したくないのであれば「ソ→ラ」など、聴いてみて自分で気に入った進行にすればオッケーです。
(逆に下手にメロディックマイナースケールを使うと演歌調な雰囲気になってしまいます。)
マイナースケールは3種類もあって覚えるのが大変と感じるかもしれませんが、初心者のうちは、メジャースケールを「ラ」から始めるとマイナースケールになり、「ソ」と「ラ」は#が付くことがある。と覚えておけば良いと思います。
次回は、楽曲で使うスケールを決めるKey(キー:調)についてです。
↓コメントする ご感想など、お気軽にどうぞっ ☆ヽ(▽⌒*)