メロディーの作り方

雑記│ 2007年04月07日

〜モチーフ(動機)の反復と変奏〜旋律の進行形〜



日常生活の中で普通にポピュラー音楽に親しんでいる人であれば、特に考えずに鼻歌で曲を作ったとしても、ある程度は理論的な形式になっているでしょう。(本来、理論のほうが後に発生したものですけど。)


ただ、自分で作曲したメロディーがイマイチ気に入らない、まとまりが無いなどと、感じているなら、ここの内容を踏まえて構成し直してみると、だいぶ聴きやすいものになると思います。


2003年に本田美奈子が、2005年には中島美嘉がカバーしたイギリスの民謡(アイルランドやスコットランド等、諸説あるが)、アメージング・グレイスを例にメロディーがどのように出来ているか見てみましょう。
(記事の後半に楽譜を掲載しています。)

<メロディーが聴けます。(MIDI:ガイドコード、ドラム入り。)>
QuickTimeが再生できるプラグインをインストールしてください。

ここで紹介している事は楽器パートにも当てはまりますので、応用すれば、よりまとまりのある曲を作ることができます。


◇メロディーの作り方について



メロディーは、ただ無作為に音を羅列してできるものではありません。
メロディーはいくつかの要素が有機的に組み合わさって、形式をつくっています。
わかりやすい形式をつくるには、理論性と一貫性が必要です。


人間は
”おぼえられるものしかおぼえることはできない”
能力の限界があるため、あまりに無関係な音の羅列では理解することができません。
人が理解しやすくするには、一つの分量を細分する必要がありす。その細分された部分を積み重ねることによって形式が決まってくるのです。

まず、曲全体をイメージし、それを形作る部分として、短いフレーズなどのアイディアを作ります。
それらをただ、無意味に積み重ねても人が理解しやすい形式はできません。
効果的に積み重ねるためには、知的に、たがいに関連させることから始めます。

楽句(フレーズ)とか、動機(モチーフ)などは、構造上必要なさまざまな種類のより大きい単位を構築するための素材となります。



◇楽曲を構成する最小の部分「モチーフ」




●モチーフ(MOTIF)→独立した楽想をもつ最小の単位。

【構成要素】
 ・上向、下行(順次進行、跳躍進行)
 ・同音反復
 ・リズム


もとのモチーフの特長や各音の関連性を、厳密にそれらの中に残しているならば、それは元のままの反復であるということができます。

(譜例)

070401motif.gif


モチーフは反復する。しかし、反復するだけでは単調になってしまいます。
一貫性を保持しながら単調さを回避するためにはモチーフを変奏することが必要となります。


モチーフの反復、変奏の例をあげてみましょう。
ひとつのモチーフが反復、変奏し、結合して一つの旋律をつくりあげているのがわかると思います。


(譜例:アメージング・グレイス)

メロディーが聴けます。(MIDI:ガイドコード、ドラム入り。)
QuickTimeが再生できるプラグインをインストールしてください。

070401amazing_grace.gif


モチーフとその変奏「a」が二つ結合してフレーズ「A」となり、さらにそれが二つ結合して「AA」というブロックを、さらに「AA」が二つ結合し大きい部分を構成している。
(「a'」、「AA'」は変化が大きいので"ダッシュ"としているが、モチーフ「a」が基本となっていることが分かると思います。)


モチーフが2〜4個結合して出来た4小節位の長さを持ったブロックを小楽節、小楽節が結合してできた8小節位のブロックを大楽節と呼びます。(モチーフやブロックの数はあくまで目安ですので、この限りではありません。)

また、アメージング・グレイスの譜例を見ても分かるように、モチーフは主にリズムで区分されます。


◇メロディーの進行形



メロディーを「音のラインとしての動きそのもの」としてみた場合、順次進行している部分と跳躍進行している部分のふたつの要素から成り立っています。

順次進行というのは、隣り合っているすぐ上や下の音につながる旋律線のことで、滑らかな進行です。それに対し、跳躍進行というのは、3度以上の音程差のある、上あるいは下の次の音につながる旋律線のことです。分散和音的な動きをさせることで、一つの旋律線だけでもコード感を強く出すことができます。また、同音連打は旋律を印象づけるはたらきがあります。


(譜例)順次進行のメロディーライン・跳躍進行のメロディーライン

070401chouyaku_jyunji.gif



◇作曲してみよう



鼻歌を録音して完成、弾き語って完成、では無く、そうして作ったメロディーを一度、音符に書き出して分析し、”反復と変奏”を踏まえて構成を見直してみてはどうでしょうか。
楽譜を書くのが苦手でも、DTMが出来る環境がある人なら、シーケンサーの楽譜画面やピアノロール画面を見ながらでも大丈夫です。

こうして、自分の好きな楽曲を分析し、どのようにメロディーが成り立っているのかを知るのも、自分の作品をより良くするのに役立つでしょう。


■オススメ参考書

『作曲の基礎技法』
著:アルノルト・シェーンベルク , G・ストラング , L・スタイン
訳:山県 茂太郎 , 鴫原 真一

この本にはモチーフの反復と変奏などについて、詳しく解説されています。ちょっと値段は高いですが、しっかりした内容の書籍なので、より深く作曲法を勉強したい方にオススメの本です。
これは私が音楽学校学生時代に教材として購入した教科書だったのですが、学校の授業では全く使う事無く終わったので、ちゃんと読んだのは卒業後の独学でですけれど、とても勉強になる本です。

『新訂 音楽通論』
著:近森 一重

ちょっと上級者向けの楽典(クラシックの音楽理論)です。音波についてや楽器(弦楽器や管楽器等)についての解説もあり、私は参考書として現在も使っています。




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